しののめ通信【第1回】
こちらは当団体から、生きづらさを感じている皆様へのメッセージを発信していく場です。第1回目はフリースクールを立ち上げた理由について、当団体の代表である中村 紫乃から皆様へお伝えいたします。
ホームページをご覧になってくださっている皆様、NPO法人しののめフリースクール理事長の中村紫乃です。このページをご覧くださり、誠にありがとうございます。
そもそも私が不登校に関心を持ったのは、私の弟が高校生の時に学校に行けなくなったことがきっかけです。当時私は大学生で、弟のいる熊本から離れた東京におり、臨床心理学を学んでいる最中でした。
学校に行けずに苦しむ弟を見て、針治療をすすめたり、私が通う大学のカウンセリングルームへ連れて行ったり様々な試みをしていました。
ただ、当時私は家族との歩調がうまく合わず、私一人でがんばってしまい、家族全体がまとまりのあるサポートをしていかないと、弟を支えることは難しいと実感しました。
弟はもともとやさしさと繊細さを併せ持った真面目な人間で、今までかかわってきた不登校の生徒さんも同じようなタイプの子が多かったと思います。
鹿児島でフリースクールを立ち上げる前は、大阪のフリースクールで働いていました。そこで出会った子供たちは、周りの目を意識しすぎておびえていたり、人恋しさは人一倍なのに、怖くて周りの友人に話しかけられなかったり、周りの人間の様子を良く見ていて、とても敏感に空気を察知したり、傷つきやすさとやさしさを併せ持ったとても素敵な子供達でした。
ただ、世の中はそんな子供たちに、なぜ学校にいけないのか、もっと強くなれ、弱いところを見せてはいけない等とさらに追い詰めるような言葉を浴びさせて、その子供たちの良さを引き出すどころか追い詰めてしまっているのが現状です。
本来ならば、敏感で優しいそのような子供たちを社会全体が守っていかなくてはいけないのに、私たちおとなは本来宝物であるはずの子供たちの繊細な心を気づかないうちに潰してしまっているのです。その現状を変えたい思いと、対話や遊びを通して子供たちのこころがどんどん元気になっていく様子を大阪のフリースクールで体感し、その再現を目指して鹿児島でフリースクールを立ち上げました。
このような思いが詰まったフリースクールにたくさんの子供たちが集まってもらえるよう、これからさらに環境を整えていけたらと考えています。
NPO法人しののめフリースクールをこれからもどうぞよろしくお願いいたします。