しののめ通信【第2回】
いつもしののめフリースクールの活動にご理解ご協力を承け賜り心より感謝申し上げます。
こちらのblogにて、日頃の思いは綴っておりますが、しののめ通信として久しぶりに発信いたします。不登校生と接していて感じること、大事に思っていることをお届けできたらと思います。
色々な学校をスクールカウンセラーとして回っていて、不登校の子供たちやその親御さんたちと接していてもどかしく思うことがあります。親御さんたちは、子供が学校に行かない、行けない表面的な行動を見て“怠けている”“努力を怠っている”“ゲームばかりしている”と判断してしまい、その行動の奥に詰まっている子供のもがいている姿、苦しんでいる姿にまで、なかなか意識が向かないのです。
私が接している不登校の子供たちは、親の“学校に行ってほしい”という思いも受け取りつつ、自分のやりたいことを模索しつつ、学校での人間関係を保ちつつ、体調不良の体と付き合いながら、ぎりぎりのところで日々を送っていたりします。
そのぎりぎりのところで日々を送っている子供たちの状態を大人が理解できると、学校に行く事そのものへのこだわりが消え、子供たちのメンタルの回復、生活環境を整えること、大人の対応を考えることが先だということが見えてきて、その親なりの関わりができてきます。
そこに気づかないでいると、親は子どもの為を思ってゲームを取り上げたり、学校に行くよう、宿題をするよう促したり、精神的にも物理的にもさらに負荷をかけるようなことをしてしまい、結果子供にとっては真逆の反応が出てしまって余計に学校へ行けなくなってしまったります。
大人は、中・高校生になった子供をいつまでも親の管理下に置いておくわけにはいかず、子供たちは自己決定していく大人に成長していかなくてはなりません。そのあたりのジレンマを子供達も抱えていて、思春期の子供たちは、自分で自分のやりたいこと、やりたくないこと、様々な局面で今後自分で人生を選びとっていかなくてはならず、その訓練をしていく時期にあるともいえます。その自己決定のチャンスを、親の管理下で奪ってしまうと、子供は健やかな発達を遂げられなくなります。
子どもが自分で選んで自分で決めてく力をはぐくんでいく視点は、大人には必須であり、私たちもこの考えのもと、共に子供たちをたくましく育てていけたらと願っています。